フレイル対策【社会参加】

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「高齢者の社会参加」 健生アドバイザー渡辺三千男 2023/9/23

「高齢者の社会参加」とは、新しい仲間と親しくなることによって、助けたり助けられたりして幸福感を高め、健康維持やストレス低減に役立てること。

1. なぜ高齢者の社会参加が必要なのか

 1)男性は70歳、女性は80歳を過ぎると同年配の友人と会うことが少なくなり、家に閉じこもりになる。

年令別生存率 (令和4年)

年齢  男性   女性

70歳  84%   92%
80    63     81
90    26     50

 2)自分を守ってくれるコンボイ(護送船団)が少なくなる。 (心理学者のカーンとアントヌッチ)

  この護送船団の円が加齢に伴って変化縮小していく。高齢期の人生を乗り切るために、加齢によって小さくなるコンボイを小さくしないように心掛 ける必要がある。

 3)地元での人間関係が希薄になっている。 自治会町内会活動が衰退しており、災害時の対応など心配。

2.社会参加の効果に関する研究

 1)「長寿と性格」ターマン研究 「The Longevity Project」

1921年。スタンフォード大学のルイス・ターマン教授が当時、10歳前後の児童1528人を対象に性格を分析。その後どのような人生を歩んでいくのか5~10年おきにインタビューを行う形式で研究を開始。 ターマン教授の死後、カリフォルニア大学リバーサイド校特別教授のハワード・S・フリードマン博士が残された資料を基に対象者の追跡調査の継続足掛け80年間にわたる研究の結果を、一般読者向けの平易な医学ノンフィクションとして発表

・「真面目」な人ほど長生きする。 陽気で楽観的な人は短命/離婚、妻と死別した男性も短命/ オーガズムを多く体験した女性は長生き

 「長寿向きの性格」とはどんなものなのか。そのキーワードとなるのが、「conscientious」という言葉だ。日本語に直すと「良心的」「慎重」「粘り強い」「計画性がある」といった意味となる。健康で長生きする人ほど、いわゆる「真面目」な性格を備えているというのだ。

 2)「つながりと健康格差」  東京都健康長寿医療センター研究所 村山洋史

食事、運動、喫煙よりも、人とのつながりが、高齢者の健康に影響を与えることが大きい。

「高齢者が孤独に陥りやすい最大の原因は、病気など加齢に伴う体の衰え。日常生活が制限される感覚や楽しみが失われる不安感は、孤独の引き金になる。また、知人との死別や入院の影響によって、町内会などのコミュニティとの関わりや外出の機会が減ると孤独感に直結しやすい」

3.高齢者の社会参加で心がけること

 1)バルデスのSOC理論(選択最適化補償理論)

 バルデスは生涯発達的観点から、獲得と喪失あるいは成長と衰退は同時進行するものであり、失っていくものがある老年期において私たちは選択的に選び取った内容を、周囲の助けを借りながら熟達化に向かっていくことで幸福に近づいていくという考えを元としてSOC理論を構築

  • 目標の選択(Selction) 資源の最適化(Optimization) 補償(Compensation)

・これまでは保たれていた機能・資源を加齢等により喪失することになった場合、機能を維持したり、これ以上機能を失わないようにするために、目標を切り替えたり、目標を達成可能な水準にまで下げる必要あり

・資源を目標達成のために効率よく配分する工夫も有効 資源の最適化である。

・目標の選択、最適化のほかにも、外部からの援助を受けることで喪失した資源を補うことも可能

 2)引続き活動に参加する場合・新たに参加する場合  新たに参加する場合の方が努力を要する

・自分に向いた楽しみのある活動
・友人や地元の人がいる団体

  など自分に居心地のいい団体を選ぶべき。

参加した場合はこちらから積極的に挨拶する、早くメンバーの名前を覚える、雑用をひきうけるなどの努力を要する。

 

4.高齢者が参加する地域社会の例

自治会(町内会)

老人クラブ(高齢者クラブ) 60歳以上の人30人以上の場合自治体の補助金制度あり。 世田谷区81の高齢者クラブあり

世田谷区高齢者クラブ連合会 担当 03-63043176

趣味や教養の同好会

世田谷を舞台とする地域活動団体 「生涯現役ネットワーク」  約60団体加盟 (いきがい世田谷の会もメンバー)

ホームページ https://setagaya-network.jimdofree.com/

例)ITに強い団体: すまほ研、パソコンクラブ優遊会、トーク会、シニアSOHO
 趣味・仲間づくり: 世田谷区誌研究会 創作紙芝居、地域デビューの会、MOVING MUSIC 和綴じの会、サルサダンス、野鳥観察体験、鉄道ジオラマ、昭和歌謡

 

スポーツの同好会

健康体操連盟、けやき歩行会、世田谷ウォーキングフォーラム https://setagaya-walking-forum.jimdo.com/

ボランティア せたがやボランティア協会 03-5712-5101

生涯大学・シニアスクール  世田谷区HP https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kusei/010/002/006/d00009931.html

ひだまり研文化研究会、生涯大学大学同窓会、シニアスクール

シルバー人材センター  世田谷区 https://webc.sjc.ne.jp/setagaya/index

5.内閣府による高齢者の社会参加 意識調査 

(参考)過去1年間に参加した社会活動をみると、「健康・スポーツ(体操、歩こう会、ゲートボー ル等)」(26.5%)が最も高い。次いで、「趣味(俳句、詩吟、陶芸等)」(14.5%)、「地域行 事(祭りなどの地域の催しものの世話等)」( 12.8%)、「生活環境改善(環境美化、緑化推 進、まちづくり等)」(9.8%)が続く。 「活動または参加したものはない」という回答者は、41.7%である。

6.おわりに

フレイル対策のための 「社会参加」、そのためには最低次を実行したい。

1日1回以上外出しよう。

・週1回以上交流しよう

・月1回以上活動に参加しよう

以上

なお、渡辺三千男氏は地域社会でいくつかの健康、趣味の会に参加しているとのこと。

太極拳の会 毎朝近隣公園
ハンドベルの会(ボランティア活動)
世田谷スピーチ会主宰 
大人の絵画教室

健康生きがいづくりアドバイザー&元世田谷生涯大学専任講師

(コメント) 

・3年間におよぶ新型コロナの影響もあり、外出自粛による高齢者の社会性の低下が問題になっている。外出低下が引き金になりフレイル拡大が懸念されるからである。(例 引きこもりや孤立) 社会性の低下を食い止めるには「高齢者の社会参加」が重要となっている。

・引続き活動に参加するのと、新たに活動に参加するのを比べると、新たに参加するほうが難しいい、努力を要するが、新たに参加する場合でも近隣や、知人。友人の入っている団体なら参加しやすい。 出来るだけ既存の団体を継続するとともにあらたな地域社会の参加にも努めるべき。年相応の団体もある。

・コミュニケーションの維持という観点ではITの活用も忘れられない。高齢者にとってインターネットはとっつきにくいが、スマホの利用など積極的に取り組み、インターネット環境の整備に努めたいものだ。

・社会性が低下すると、ボケが進展するなどの精神的フレイルになりかねない。渡辺氏が言うように、1日1回は外に出てできれば人と話す機会を持ちたいものだ。 買物でも習い事でも良い。

・「高齢者の社会参加」」は単にフレイル対策にとどまらない。積極的な意味もある。それは、助けたり助けられたりするコンボイのわっかを広げること、生きがいづくり(3人称)にもなる。努力したい。                   

 (吉田隆直 記)

 

 

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